黒色無双IR
SKU: P2NML0100
「真・黒色無双」の技術を赤外線(IR)吸収へと展開した姉妹製品、「黒色無双IR」。他社製品を圧倒する驚異的な吸収性能で、センサーを悩ませる迷光問題を解決する高性能な水性アクリル塗料です。
自動運転のLiDARセンサー等で問題となる不要な反射光を吸収し、誤認識やコントラスト低下を抑制します。さらに、優れた熱放射性能も併せ持ち、ヒートシンクの冷却効率向上や、サーモグラフィでの正確な温度測定にも貢献します。
水性アクリル塗料のため嫌な臭いも少なく、自然乾燥も可能。フタを開けてすぐに筆やエアブラシで手軽に塗装できるなど、取り扱いも非常に簡単です。
【ご注意】 本製品はリスト規制品です。ご注文後、軍事利用等の意図がないことを確認するメールをお送りします。ご返信いただいてからの出荷となりますので、ご了承ください。
製品名:黒色無双IR(こくしょくむそうアイアール)
品名:合成樹脂塗料
成分:合成樹脂(アクリル)、顔料、防カビ剤、水
用途:近赤外線光学の迷光対策
(非吸水性の素材には、下地処理やプライマーが必要な場合があります。)
左:黒色無双IR/右:未塗装
これは近赤外線カメラで撮影した比較写真です。未塗装部分は近赤外線を反射して白く写るのに対し、黒色無双IRを塗布した部分は光を吸収し、黒く写っています。
ご購入前の重要なお知らせ
本製品はリスト規制該当品です。安全保障貿易管理の観点から、
お客様には以下の2点についてご確認させていただきます。
・軍事用途に用いられないこと
・塗料状態のまま輸出しないこと
ご注文後、弊社よりお送りするメールにて上記内容の確認をさせていただきます。
お客様からのご返信をいただき、確認が取れ次第の出荷となりますので、
あらかじめご了承ください。
【性能】データで見る、近赤外線の吸収性能
「黒色無双IR」は、従来の黒色塗料では反射してしまう近赤外線を大幅に吸収し、センサーの誤認識や画像のコントラスト低下の原因となる「迷光」を極限まで抑制します。
その優れた性能は、国際宇宙ステーション(ISS)のカメラや、自動運転技術の障害物検知センサーにも活用されています。
VS. 他社塗料

一般的な黒色スプレー(緑線)が近赤外線領域で4%以上反射するのに対し、黒色無双IR(赤線)はその約半分の2%台を維持します。
他社製品の半分の反射率
VS. 真・黒色無双

可視光域最強の真・黒色無双(黒線)は近赤外線域で反射率が急上昇する一方、黒色無双IR(赤線)は全域で5%以下を維持します。
IR領域に特化した圧倒的な吸収性能
新たな可能性:光吸収から、熱制御へ
「黒色無双IR」が中赤外領域でも驚異的な吸収特性(=超低反射)を持つことが判明しました。これは、光だけでなく「熱」を高効率で制御できることを意味します。
さらに、厚塗りせずに最大の効果を発揮する性能と、特別な設備を必要としない扱いやすさを両立。既存の部品にも手軽に高性能な放射機能を追加できます。
熱のキルヒホッフの法則:高吸収は、高放射
物理法則により、中赤外線をよく吸収する物体は、同時に熱をよく放射する物体でもあります。「黒色無双IR」の優れた中赤外吸収性能は、そのまま世界最高クラスの熱放射性能の証明となります。
驚異的な高熱放射率を達成
一般的な高放射塗料が持つ性能の限界を、
黒色無双IRは軽々と超えていきます。
一般的な高放射塗料の最高値が0.95程度であるのに対し、
本製品はそれを上回る0.98を達成。
これは熱放射率の理論上の最高値1に迫る数値です。
※ 留意点: 供試品の測定結果であり保証値ではございません。
放射率測定条件
| 測定場所 | : 名古屋市工業研究所 |
| 室温 | : 23℃ |
| 測定装置 | : TSS-5X ジャパンセンサー(株) |
| 測定波長 | : 2~22μm |
高熱放射特性が実現する3つの応用例
放熱効率の向上
ヒートシンクに塗装することで、その熱放射効率を大幅に向上させ、機器の安定動作に貢献します。
測定結果:ヒートシンク温度の比較
| 測定対象 | ヒータ温度[℃] | 室温[℃] |
|---|---|---|
| 無塗装 | 99.1 | 25.1 |
| 黒色無双IR | 91.7 | 25.3 |
塗装により、ヒートシンクの温度が7.4℃低下しました。
測定方法と実験写真
高温部材の急速冷却
ステンレスは熱放射率が低く熱がこもりやすい金属ですが、本製品を塗装することで、高温部材の自然冷却性能を確実に向上させます。
測定結果と実験の様子
グラフ:高温のステンレス板が冷える速度を比較。塗装した板(赤線)の方が、より速く温度が低下しています。
写真:実際に比較実験で使用したステンレス板。
サーモグラフィでの正確な温度測定
サーモグラフィが苦手とする光沢のある部材も、本製品を塗装するだけで放射率が安定し、正確な表面温度を測定可能に。様々な研究開発で活用されています。
高温ステンレス板の温度測定
【結果】半分を塗装したステンレス板を高温のプレートに載せると、塗装の有無にかかわらず表面温度は同じになります。しかし、サーモグラフィでは塗装した部分しか正確な温度を測定できません。
① 実画像と熱電対での測定
② サーモグラフィでの測定
まず、140℃の熱源プレートの上に、半分を黒色無双IRで塗装したステンレス板を置きます。この時の「正解の温度」を熱電対で測ると、左の画像(①)が示すように塗装部・未塗装部ともに135℃です。
しかし、これをサーモグラフィで撮影すると、右の画像(②)のように見え方が全く異なります。 未塗装(光沢)部分は放射率が低いため63.9℃と誤った温度を表示する一方、黒色無双IR塗装部分は放射率が高いため133.3℃と、ほぼ正確な温度を測定できています。
銅配線サーモグラフィ温度測定
【結果】通電によりチップ抵抗と銅線温度は上昇しますが、銅線をサーモグラフィで測った場合、レジスト部では実温度が測れません。一方、黒色無双IRを塗装すれば測れるようになります。
① 実画像(セットアップ)
② サーモグラフィ画像
使用機器:量子型サーモグラフィ
画像の解説
上の実画像(①)では、銅配線のうちエリアAが黒色無双IRで塗装され、エリアBは未塗装であることが分かります。
この状態で通電し、サーモグラフィ画像(②)で比較すると、その違いは一目瞭然です。
- エリアB(非塗装):銅配線の温度上昇は見えません。
- エリアA(黒色無双IR塗装):銅配線の温度上昇がはっきりと分かります。
結論:
塗装することで、サーモグラフィでは
見えなかった銅配線の温度が
正確に測定できるようになった。
照明下の電気部品の温度測定
【結果】部屋の照明を付けた状態で電気部品温度を測ると従来塗料では高温部が膨張した画像となりました。しかし、黒色無双IRを使う事で、照明を付けたまま正確な温度が測れるようになりました。
(米田研究室 / 国立大学法人 東京海洋大学様 試験)
① 他社 放熱塗料
高温部が照明の反射で
膨張して表示される
② 黒色無双IR
照明の影響を受けず、
ほぼ実温通りに表示
【質感】驚くほど簡単に塗れる
超マットな仕上がり
特殊な技術により、塗膜の表面に光を内部に閉じ込める微細な凹凸構造を形成します。 これにより、塗った部分がまるで影そのもののように見える、他にはない超マットな質感が生まれます。 複雑な形状にも簡単に塗ることができ、プロのクリエイターのニーズにも応えます。
※ ご注意
塗膜の強度は弱く、塗膜表面に接触があった場合、剥がれが発生する場合がございます。
【利便性】扱いやすく、
多様な素材に対応
「黒色無双IR」は水性アクリル塗料のため、水をはじかない材質であれば、筆やエアブラシを使って手軽に塗装できます。
塗り終わった後は自然乾燥させれば完成です。嫌な臭いもほとんどなく、水で希釈することも可能です。
プラスチックや金属、木材、布など、様々な素材に対応できるため、開発・試作段階から最終製品の迷光対策まで、幅広い用途でご活用いただけます。
製品仕様
| 製品名 | 黒色無双IR |
|---|---|
| 品名 | 合成樹脂塗料 |
| 成分 | 合成樹脂(アクリル)、顔料、防カビ剤、水 |
| 用途 | 近赤外線の迷光防止、高精度な近赤外撮像のサポートなど |
赤外線迷光にお悩みの開発・技術者の方々にぜひお使いいただきたい逸品です。
よくあるお問合せ
どのように塗れば良いですか?
水をはじかない材質であれば、筆やエアブラシを使って簡単に塗ることができます。塗り終わった後は自然乾燥させれば完成です。複雑な形状のものにも簡単に塗布可能です。
塗膜の強度はどのくらいですか?
本製品の塗膜の強度は比較的弱く、塗膜表面に接触があった場合、剥がれが発生する場合がございますのでご注意ください。
輸出に関する注意点はありますか?
はい、本製品はリスト規制該当品です。国外に輸出をお考えの場合、輸出者ご本人の手続きで経済産業省の許可を取得する必要があります。購入時にもこの点について確認させていただきます。
使用する際の注意点はありますか?
マスク、手袋、メガネなどの保護具を着用し、できるだけ皮膚に触れないようにして下さい。詳細は製品の安全データシート(SDS)をご確認ください。





